透明水彩を始めるのに初心者がお金を一番かけるとしたら、どの画材がいい?

こんにちは、Jです。

これから透明水彩を始めようと思われる方が買い揃えないといけない最低限必要な画材といえば、絵の具、紙、筆ですね。

でも、画材屋にいくと膨大な種類が並んでいて値段もピンキリです。早く上達したいけど、予算に限りがあるのは普通でしょう。また初めて水彩画は初めてよく分からないので、いきなり高価な画材を買うのは不安という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

では、水彩初心者がお金をかけるとしたら、これら3つの内のどれにお金をかければよいのでしょうか?いろいろなご意見はあると思いますが、Jが推奨する順番と理由について説明していきます。

透明水彩の初心者がお金をかけるなら・・・・

Jは①紙、②筆、③絵の具の順番だと考えます。「絵の具じゃないの?」とびっくりされる方も多いかもしれません。しかし高価な絵の具を使用するくらいなら、紙や筆にお金をかけた方が、努力が絵の出来に現れやすいと考えています。

透明水彩の初心者が絵の具にお金をかけてなくてもよい

透明水彩の初心者が絵の具にお金をかけても、絵の出来はよくなりません。

「アーチスト用」や「プロフェッショナル用」と描いてある絵の具を選んでおけば、値段に関わらず、絵の具は本質的に大して変わりません。

透明水彩絵の具についてはまた別の記事でじっくり説明していきます。が、メーカーによって価格は10倍くらい異なります。5mLチューブでいえば、同じ色でも200円代から2000円代までの差がつくものもあります。

しかし値段の高い絵の具を使えば描きやすくなるわけではなく、また出来上がった絵の色合いにそれほどの差がでるわけでもありません。

確かにシュミンケ社の絵の具は高価なだけあって、純色が多い、ムラがでにくいなどの特徴があると言われていますが、まだ絵の具の顔料に関する知識がなく、筆や水の扱いに慣れていないようでしたら、その特性を活かして絵に差を出すことはできないでしょう。

特に出来上がった絵の色合いは、混色・重色・画面上での配色といった絵の具の扱い方の巧拙の影響があまりにも大きいため、絵の具の違いは作品の善し悪しにあまり影響しません。

透明水彩の初心者でも紙にはお金をかけた方がよい

安いからと言って、画用紙を使うことだけはやめましょう。

大人になってから水彩画を描くのは初めてという方で、時々、画用紙を使用されているのをおみかけします。水彩紙によりもずっと安いので初めて水彩をやるのにはいいと考えられているのかもしれません。あるいは小学生の図工の授業では画用紙を使っていたからという方もいらっしゃるようです。

小学校の図工の授業での水彩画のお絵描きに苦戦された方は多いのではないでしょうか? Jもそうでしたが描いている間に紙の表面がモロモロと崩れたり剥がれたりするんですね。乾くと剥がれた紙が小さくまるまってゴミがついているようになってしまいました。この原因は画用紙を使っていたからなのです。

水彩では水をたくさん使うので、それに適した水彩紙を使わなければなりません。水彩紙とは水がすぐに吸収されないような表面処理を施した厚手の紙です。特にコットンで作られた水彩紙は紙の表面が非常に強く、多量の水でビシャビシャにしたうえで筆でゴシゴシと擦るように描いても、表面がモロモロと崩れることがありません。

それではどのような水彩紙を選べばいいのでしょうか?

Jがお奨めするのは、値がはってもできるだけコットンの割合が高く厚みのある水彩紙です。

水彩紙はコットンやパルプでつくられており、メーカーによってその割合が違います。また同じメーカーの同じ紙でも厚みのことなるものが売られています。一般的にコットンの含まれる率が高いほど価格は高くなる傾向にあり、同じ紙でも薄い紙より厚い紙のほうが価格が高いです。

初心者にコットンの割合が高いものをお奨めする理由は表面が強いことです。

実はパルプの含有量が高い水彩紙には、コットン100%の水彩紙とは違う良さがあるので、必ずしも質が悪くなるというわけではありません。

その特性を好んでパルプの含量が高い水彩紙を使用するプロの水彩画もいらっしゃいます。しかし初心者がどんな描き方をして紙の表面が強いと安心です。低くても50%以上はコットンが含まれているものがよいでしょう。

一方、厚みのある水彩紙をお奨めするのは、紙を水で濡らした時のたわみが薄い紙より小さく、描き安いからです。

ではどのメーカーのどのような紙がお薦めかについては、別の記事でまたご説明します。

透明水彩の初心者でも可能なら筆にお金をかけた方がよい

「弘法は筆を選ばず」という言葉がありますが、透明水彩のプロは筆を選びます。初心者でも良い筆を使用した方が努力が絵の出来具合に反映され易いと考えています。

たとえば、水彩画は塗り足す際に意図しない滲みが生じたりするので、たくさんの絵の具の液を含ませて、できるだけ広い面積または長い線を一挙に塗る必要があります。このような描き方の場合、絵の具の含みがよく広い面積を一挙に塗ることのできる太さを持ちつつも、細く長い線を描くことができるような先端のまとまりのよい筆である必要があります。

一方、かすれ描きといって、筆先を指でほぐしてばらした状態で絵の具をつけてかすれた効果をだすこともあります。この時は逆に筆先をばらした状態を保つことのできる筆である必要があります。

更に筆先を整えれば、また細く長い線を描けなければなりません。

これらの性質を全て満たす良い筆を使えば、初心者でもこのような表現が比較的簡単にできるようになるでしょう。

これまで、これらの条件に一番かなっている筆は、リスやイタチの仲間などの毛を使用しており、かなり高価なものしか売られていませんでした。しかし近年は動物愛護の観点から、人工毛でも非常によい筆が製造されるようになりました。お値段も動物の毛を使った筆より安いです。自分の予算が許す中で、できるだけ良い筆を購入することをお奨めします。

筆につきましても、別の記事でじっくり説明していきます。

 

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